ボウリング・フォー・コロンバイン
アマゾンプライムは、サウスパークから超B級映画まで揃えていてクソ鬱病&人生ドロップアウトぎみの私の気を紛らわせてくれるとにかくありがたい存在だ。
なんとサウスパーク(無修正)、超B級映画、話題の映画、ドキュメンタリーまでガンガン観て時間を無駄に使えるのである。他にもアンパンマンやら知育系のアニメもあるが、下手に観ると友情やら優しい心に感動してうっかり泣いてしまうので観たことはない。現にたまごっちで泣いてしまった。残念である。
そんな中で、一際目を引いたボウリング・フォー・コロンバインについて書いてみようと思う。
ボウリング・フォー・コロンバインという映画は、1999年4月20日に起きたコロンバイン高校銃乱射事件をマイケル・ムーアが偉い人間や悪者とされる人間、元ナードや元生徒の人間や被害者に突撃取材をする内容となっている。
なかなか重く、胸糞悪い場面や辛い場面も多い2時間程度のドキュメンタリーである。
私は、この映画の事件発生当時の動画や音声と現在のコロンバイン高校が交互に流れるシーンが1番好きである。BGMはマリリンマンソンのThe Nobodies (歌なしバージョン)である。
このThe Nobodiesは、この事件で大バッシングされ、全米の大人が忌み嫌うマリリンマンソンが事件後に作った曲である。
「僕らは名もなき者、けど有名になりたい」という歌詞は、この事件の犯人2人が思っていたことではないだろうか。そして彼らはTimeの表紙を飾り、死んでから夢を叶えた。
全米ライフル協会の会長の腹の立つ発言と態度、サウスパーク作者のズケズケ物を言う場面、ニュースキャスターや識者よりもまともなことを言い、この映画で1番まともであったロックスターマリリンマンソン。
そもそもマリリンマンソンが1番まともな時点でアメリカはお察しである。偉い人よりマンソンがまともなことを言っているのにクスリときてしまった。クスリだけに。
ロックスターは頭の良い人が多いが、それにしたってマンソンを批判した大人、チキンナゲットでふざけた小学生を停学にした学校などは無能of無能であるとしか言いようがない。
厳しい服装規定を設ける件など、生徒からバイオハザードの主人公レベルの武器が服の下から出てきてコントかと思ってしまう。これで大真面目なのだから頭がおかしいのではないだろうか。
私の良くない癖として、立場が近いと気の毒に思ってしまう癖がある。
彼らは確かに人を殺したが、学校でいじめられていたクソナードであった。
何を隠そう私もクソナードでいじめを苦にし家庭を苦にして鬱病からの精神安定剤という王道展開なので彼らに肩入れしてしまうのである。
彼らは、ジョックやクイーンビーを殺すのではなく奴らにでかい顔をさせる学校や社会を殺そうとしたのではないだろうか。
今まで誰も彼らの話は聞かなかったが、事件後に子供は恐れるべき存在として扱われた。彼らはTimeの表紙を飾り、社会を揺るがし世界を驚かせた。
私が思うに彼らの夢は叶ってしまった。
もしも彼らが本当にマリリンマンソンを聴いていたなら、経験と鬱屈とした心を活かしてロックバンドを作り、めちゃくちゃしびれる歌詞を書いたかもしれない。
もしも彼らが、殺人を犯す前に自分なりの好きなことを見つけていたら…そう思ってしまう。
殺された生徒も、犯人の彼らも、前途ある人間だった。それがただ悲しい。